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館長だより

ミモザのリース(館長だより㊸)『障害はどこに?』2021.12

   先月号のこの欄で、ユニバーサルマナー講座についてお伝えしました。高齢者や障害者、ベビーカー利用者、性的マイノリティーなど多様な人々に向き合い、適切な理解のもと行動するためのマインドとアクションを身につけるための研修です。
   この講座の一つの特徴は、障害を持つ講師が自らの経験も踏まえて講義すること。と書くと、講師に注意を受けるかもしれません。「見えない、聞こえない、歩けない、といったことが障害ではない。そういう特性を持った人が暮らしにくい社会の方に障害がある、と私たちは捉えている。だから、私たちは『障害を持つ』とか『障害がある』とは言わないし、私たちに配慮して『害』の字をひらがなにする必要も感じていない」と話されたからです。
   ジェンダー平等を目指す社会にも、この概念が通じるように感じます。出産やその後の育児によってしばらく業務を離れなければならない女性の側に問題があるのではなく、そういう女性が出産で辞めざるを得なくなったり、出産後、円滑に職場復帰ができないといった環境や制度に課題(=障害)があるのではないでしょうか。
   社会における多数派はこれまで、男性、健常者、企業などの組織に所属している人…などでした。その人たちによってできた、多数派に都合の良い社会に居心地の悪さを感じたら、我慢するのではなく、改善に向けてそれぞれが声を上げ、それが届く社会を目指したいものです。