情報資料室より 図書・DVD案内

男女共同参画 【図書・DVD(ビデオ)】

共に協力し支え合う社会を目指して

男女共同参画

男女共同参画社会と市民 藤原千賀/著(武蔵野大学出版会)





 市民に関わりのある分野に焦点を当て、誰もが生き生きと暮らせる社会を目指すための取り組み方を論述しています。
 男女共同参画社会基本法の理念や制定の背景などを簡潔に説明。男女共同参画の視点から、教育、労働、政治、個人・家庭生活と法律や制度との関わりについて今後の課題を提示しています。教育分野においては、学校・家庭での教育の男女差などを紹介し、些細な大人の態度・言葉が、子どもたちにジェンダー(※)を植え付ける要因となっていることを気づかせてくれます。
 まとまりのある構成で読みやすく、「男女共同参画」に堅苦しいイメージを持つ方にもおすすめの1冊です。

ジェンダーを昔話で学ぼう!

男女共同参画

モモタロー・ノー・リターン&サルカニ・バイオレンス  奥山和弘/著(十月舎)

 男女共同参画や子育て、DVなどの問題を、日本昔話を下敷きにして分かりやすく説明しています。表題の「モモタロー・ノー・リターン」では、おばあさんとおじいさんの仕事を交代させ、性別を変更した「桃子」が主人公に。普段、私たちが性別によって役割を決定していることに気づかせてくれます。「サルカニ・バイオレンス」は、DVの支配関係を明らかにし、支援者の重要性を提示。年齢性別問わず読み進めることができ、ジェンダー問題に少しでも関心のある方に手に取っていただきたい本です。

男女間の確執をひも解く一冊

男女共同参画

「変わってしまった女」と「変わりたくない男」男女共同参画ノート 三浦清一郎/著(学文社)

 「定年後の夫はなぜ女性にとってそれほど鬱陶しいのか」「女性はなぜ陰でしかものを言わないのか」。男女間の確執について、多くの人が抱く疑問に対し、著者が出した結論がまさにこの本のタイトル。女性を抑圧してきた男性支配の歴史を「筋肉文化」と呼び、文明の進化とともに「筋力差」が解消され、女性の自立や社会参画に繋がったと言います。社会には男女共同参画に対する抵抗が未だにあります。原因は居心地の良い状況を手放したくない「変わりたくない男」と著者はきっぱり。それぞれの居場所、立場で恐れずに変化しなければ、社会の発展も望めないのだと痛感する一冊です。

ジェンダー視点で社会・政治を学ぶ

男女共同参画

ジェンダーで学ぶ政治社会学入門 男女平等の未来のために 大海篤子/著(世織書房)

 「ジェンダー」とは文化的・社会的につくられた「女らしさ」「男らしさ」のことです。女性は家庭や介護、男性は仕事といった性別による役割分担意識などがあげられます。
 本書は、ジェンダーの視点から政治・社会の問題を取り上げた入門書。テーマは、性役割の歴史的背景や女性の働き方、学校教育における性差、差別解消と政治進出など。参考文献も豊富で、より理解を深めたい方の糸口になります。また簡潔で分かりやすい文章も魅力です。
 性別で分類するのではなく、「個」として考え、新しい視線で社会を捉える人が増えることこそ、男女共同参画社会への一歩に繋がるのではないかと思える1冊です。

フィンランドのイクメン事情

男女共同参画

フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て ミッコ・コイヴマー/著(かまくら春秋社)

ムーミンやサンタクロースの故郷、社会福祉制度の充実した国というイメージの強い北欧フィンランド。本書は駐日フィンランド大使館に勤める著者が、男女平等な社会を築いた歴史と、イクメン先進国へと成長した現在における子育て支援の仕組みを紹介。結婚、育休取得、家事育児など、ひとつの家族の生活から、ゆとりのある子育て環境が浮かび上がってきます。家族を大切に思う気持ちが溢れていて、子育て中の方、これから積極的に関わっていきたい方へのヒントにもなるはずです。
 観光ガイドや雑貨も写真付きで紹介され、フィンランドに訪れてみたくなる本です。

女と男、どっちが得? 何が違うの?

男女共同参画

「女らしさ・男らしさ   ジェンダーを考える」 森永康子/著 北大路出版

本書は、生まれつきの性別に基づき社会的につくられる「ジェンダー」について、読者に問いかける文章で分かりやすく説明しています。事例や質問を挟みながら、「女らしさ・男らしさ」という枠に囲まれて生活していること、性別に対する役割を身近なところで求められていたことに気づかせてくれます。

長い夏休みは自分と向き合える良い機会でもあります。本書で自分らしく生きるヒントを見つけてみませんか?

 

 

ノルウェーに学ぶ平等な社会への変革

男女共同参画

 ノルウェーを変えた髭のノラ 男女平等社会はこうしてできた  三井マリ子/著 明石書店

 ノルウェーの文豪イプセンの戯曲「人形の家」に登場するノラは、夫が自分を人形のように扱うことに嫌気がさし、人間らしさを取り戻すために家を出ました。この作品が発表されて130年余りが経ち、現在のノルウェーは、男女平等の視点から住みやすい国のひとつとされています。本書は、ノルウェーをはじめ、女性の権利獲得に尽力した多くの人々の姿を捉えながら、男女が共に活躍できる社会を獲得した経緯をまとめた現地ルポ。
 表紙の髭を書いた女性が訴えたいことは何か、気になる方はぜひ本書を手に取ってみてください。

日本国憲法に男女平等を!

男女共同参画

1945年のクリスマス  日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝 ベアテ・シロタ・ゴードン/著 柏書房

 女性が幸せにならなければ、日本は平和にならない」
―1945年の日本国憲法起草で、「男女平等」の文言を加えたベアテ・シロタ・ゴードン。本書は彼女の生い立ちやGHQの民生局職員として来日した経緯、草案完成後のアメリカでの仕事についてを語った自伝です。
 ベアテは、男女平等を軸とした、基本的人権を保障する条項を数多く作成し、女性の地位向上を目指しました。2012年12月末に89歳の生涯を閉じたベアテ。未来を生きる私たちに託された課題が詰まった本です。