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館長だより

ミモザのリース(館長だより㉘)『裾野の広さ』2020.9

   7月下旬から新型コロナウイルスの感染者が急増し、再び緊張と不安が走りました。「はあもにい」では、さらに気を配って会館運営に努めています。また、さまざまなことに配慮しながら、講座も開催しています。募集人員を減らしたり、オンライン講座にしたり、最善の形を模索する日々ですが、多くの皆さまの「学びたい」という意欲や、受講後の満足のお声に、励まされています。
   先日は、第7期ウィメンズカレッジの3回目の講座「〝知の素っぴん力〟を磨こう」を開催しました。講師の越地真一郎さんによると 〝知の素っぴん力〟とは、知の地力とのこと。多様な場面で対応できる論理的思考と表現力を磨こうという講座です。
冒頭、東京スカイツリーと富士山を引き合いに、「どれだけ高くても裾野が広ければびくともしない。高みとは、裾野の広さがあってこそ」と。まさにこの裾野が、社会人としての基礎力。知の素っぴん力というわけです。
学校の勉強も、社会での学びも、人生の折々の経験も、「私」という山の裾野となり、自らの高さを支えてくれる―。若い頃はそんなことを考えることもなく、勉強から逃げたりしたものです。逃げた分は結局人生のどこかで埋め合わせをすることになっているようにも思います。また、裾野を広げるのは自分の努力だけでなく、周りの関わりも大事だと感じます。
   今でも時々「女の子だからそんなに勉強しなくてもいい」という声を聞くことがあります。また、学ぶ意欲があっても経済的にかなわない場合もあるでしょう。大人が子どもの意欲を制限したり、奪わざるを得ない状況が見過ごされたり、それらが当たり前だという刷り込みをしないことが、社会全体の高さを生む「裾野の広さ」につながるのではないか、と講座後に考えました。