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館長だより

ミモザのリース(館長だより㉗)『未来を象徴する2020年に』2020.8

   県南を中心に降り続いた大雨の被害は、予想だにしない規模のものでした。熊本地震からの復興が見えてきた矢先のコロナ禍。その中で起きた、命や暮らし、ふるさとを奪う天災に胸がつぶれます。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被害に遭われた皆さまにお見舞いを申し上げます。
   2020年。それは日本にとって輝く未来を象徴する年になるはずでした。東京でオリンピックが開催され、さまざまな国から多くの人たちを迎え、競技の感動を共有し、日本の素晴らしさを体感してもらう絶好の機会。国民挙げて日本流の「おもてなし」を、と意気込んで年明けを迎えたはずでした。
   しかし、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大。命は脅かされ、経済は止まってしまう。その影響は、例えば非正規労働者の解雇など弱い立場の人たちに大きく出ています。そして、その多くが女性だったり、ひとり親だったりする現実を受け止め、社会に問うことが必要だと感じています。
   もちろん女性だけではありません。従事する職種からか、同じ国内でも人種によって罹患率が異なると指摘する海外の報道もありました。平時からあるのに潜伏し見過ごされている社会的な課題が、緊急時にあぶり出される。何度も経験していることなのに、なかなか状況は変わりません。
   緊急事態そのものへの対応がもちろん最重要案件ではありますが、そこであぶり出された社会課題の解決に向けての取り組みをセットにして考えていかなければ、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」繰り返しになってしまいそうです。
   世界が同じ災禍を体験した今、この社会課題の解決をともに考え、動きだせば、先に述べたものとは違う意味で、2020年が輝く未来を象徴する年になる―と思います。