はあもにいについて

男女共同参画について

館長だより

ミモザのリース(館長だより⑱)『自分ごと・社会ごと』2019.11

  「年をとって楽になったな~」と思ったのはどれくらい前だったか思い出せませんが、急にそんな気持ちになったことを覚えています。
   自意識の塊のような若い時代は、自分の姿や言動に対する評価が気になったり、思うような自分でない自分自身にいらだったり、何ともいえない生きづらさがありました。そういった気持ちが少しずつ薄れてきたのは、経験を重ね、その時々の感情を処理していくなかで、「自分は自分でいい」と思えるようになったからだと思います。
   また、自分にまつわる問題を自分で解決することに必死だった時を超えて、「自分が困ったことは他人も困るかもしれない」「ここを改善すると、もっと心地よく暮らせるかもしれない」と、「自分ごと」を「社会ごと」に発展させていく気づきと力を、時間が与えてくれることもあるなと感じています。
   もちろん若い頃から自分ごとを社会ごととして捉え、問題解決型の事業を興す人や積極的な市民活動を行う人もいます。他方、年齢を経たら必ずそうなるというものでもないでしょう。私は「はあもにい」に着任して以来、社会的課題に真摯に取り組む市民団体の皆さんの活動に触れ、これまでの自分の取り組み姿勢を反省させられました。しかし、それなりにであっても課題と格闘してきた経緯や経験を伝え、道標となることは、次世代のために意義あること。今からでも、私でも、できることを始めなければと思っています。
   熊本市男女共同参画センターはあもにいでは、男女共同参画を推進する市民団体と一緒に企画・運営するイベント「はあもにいフェスタ」を毎年11月に開催しています。記念講演会や映画鑑賞会だけでなく、多くの団体がセミナーやワークショップ、展示、バザーなどを行います。飲食ブースもあります。
   この機会に、さまざまな「社会ごと」に取り組む市民団体の皆さんの活動にぜひ触れていただければと思います。そして、もし、皆さんの中に小さな「なぜ?」や「こうなっていけばいいのに…」という思いがあれば、まず誰かに話してみませんか? 誰かと思いを共有すれば、そこから何かが始まるかもしれません。