はあもにいについて

男女共同参画について

館長だより

ミモザのリース(館長だより⑫)『少数派』2019.5

『少数派』

新年度、はあもにいでは新しい副館長を迎えました。45歳の男性です。出勤初日の昼食時、手作りのお弁当を食べている彼を見かけ、「奥さんが2人分作られるのですか?」と声をかけました。共に仕事を持っていると聞いていたからです。すると、「いえ、食事はすべて私が作ります。今は、子どもの春休み期間で子どもにもお弁当が必要なので、自分の分と合わせて作っています」と言います。
私はつい突っ込んで質問を重ねました。「では、買い物はどちらが?」「私です」「奥さまは何をなさるの?」。と、ここまで聞いて、自分が恥ずかしくなりました。男女共同参画センターの館長として、固定的性別役割分担意識(個人の資質や能力などにかかわらず、性別によって役割を固定する考え方)の弊害を伝える立場の自分が一体何を言っているのだろう。
そして思いました。こういうとき、尋ねる人は何気なくとも、質問を重ねることでいやな思いをさせているのだろうな、と。それは興味・関心の発露ではあるけれど、その興味・関心の根源は、通常見知っている状況とは異なる、いわゆる「少数派」だから。そこまで考え、ますます落ち込んでしまいました。
私が仕事を始めた三十数年前、出産後も働き続ける女性はかなりの少数派でした。当時「子どもがいるのになぜ働くの?」「子育てはどうしているの?」などと聞かれることが不思議でした。 「仕事が好きだから」「働く必要があるから」ではいけないのか、と。その私が今、何を尋ねているのだろう…。
開拓者は、一人でも始めます。多様性のスタートは「少数派」からなのです。
   新年度、はあもにいでは新しい副館長を迎えました。45歳の男性です。出勤初日の昼食時、手作りのお弁当を食べている彼を見かけ、「奥さんが2人分作られるのですか?」と声をかけました。共に仕事を持っていると聞いていたからです。すると、「いえ、食事はすべて私が作ります。今は、子どもの春休み期間で子どもにもお弁当が必要なので、自分の分と合わせて作っています」と言います。
   私はつい突っ込んで質問を重ねました。「では、買い物はどちらが?」「私です」「奥さまは何をなさるの?」。と、ここまで聞いて、自分が恥ずかしくなりました。男女共同参画センターの館長として、固定的性別役割分担意識(個人の資質や能力などにかかわらず、性別によって役割を固定する考え方)の弊害を伝える立場の自分が一体何を言っているのだろう。
   そして思いました。こういうとき、尋ねる人は何気なくとも、質問を重ねることでいやな思いをさせているのだろうな、と。それは興味・関心の発露ではあるけれど、その興味・関心の根源は、通常見知っている状況とは異なる、いわゆる「少数派」だから。そこまで考え、ますます落ち込んでしまいました。
   私が仕事を始めた三十数年前、出産後も働き続ける女性はかなりの少数派でした。当時「子どもがいるのになぜ働くの?」「子育てはどうしているの?」などと聞かれることが不思議でした。 「仕事が好きだから」「働く必要があるから」ではいけないのか、と。その私が今、何を尋ねているのだろう…。
   開拓者は、一人でも始めます。多様性のスタートは「少数派」からなのです。

はあもにい館長 坂本ミオ