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館長だより

ミモザのリース(館長だより㊶)『甘える、甘えさせる』2021.10

  「私はジェンダー不平等に甘えていることに気付かされました」。先日行った「ウイメンズカレッジ」「メンズカレッジ」の合同講座中、「女性社員の新しい働き方育成計画を作ろう」というグループワークで、ある女性参加者が発した言葉です。
   そのグループでは、「女性が研修などに参加したがらない、昇格したがらない、意欲に欠ける」ことが男性参加者から課題として挙げられました。そこで出たのが、冒頭の発言でした。「良いところだけをかいつまんで仕事していたかもしれない。それが楽だから」と、彼女は続けました。
   ジェンダー平等は責任平等でもあります。彼女はそれに気付いて、今までのあり方を反省している様子でした。
   ところで彼女は最初から「良いとこ取り」の仕事をしていたのでしょうか。昔、企業では男性と女性の仕事を分け、研修制度も昇格の機会も異なりました。学校を卒業するまでは機会を均等に与えられることが多かったため、社会に出た女性はまずそのことに戸惑ったのではないでしょうか。ある人は憤慨し、ある人は諦め、学校とは異なる秩序の中でそれぞれに生き方、働き方を模索してきたはずです。 
   男性参加者が挙げた先の課題は、女性自身の心の持ちようだけでなく、企業や社会全体の意識や制度によって形成されたものでもあることを忘れてはいけないと思います。
甘えさせるやり方で能力や意欲を奪うのは、人にとっても企業にとっても国にとっても、惜しい話です。

 

「私はジェンダー不平等に甘えていることに気付かされました」。先日行った「ウイメンズカレッジ」「メンズカレッジ」の合同講座中、「女性社員の新しい働き方育成計画を作ろう」というグループワークで、ある女性参加者が発した言葉です。
そのグループでは、「女性が研修などに参加したがらない、昇格したがらない、意欲に欠ける」ことが男性参加者から課題として挙げられました。そこで出たのが、冒頭の発言でした。「良いところだけをかいつまんで仕事していたかもしれない。それが楽だから」と、彼女は続けました。
ジェンダー平等は責任平等でもあります。彼女はそれに気付いて、今までのあり方を反省している様子でした。
ところで彼女は最初から「良いとこ取り」の仕事をしていたのでしょうか。昔、企業では男性と女性の仕事を分け、研修制度も昇格の機会も異なりました。学校を卒業するまでは機会を均等に与えられることが多かったため、社会に出た女性はまずそのことに戸惑ったのではないでしょうか。ある人は憤慨し、ある人は諦め、学校とは異なる秩序の中でそれぞれに生き方、働き方を模索してきたはずです。
男性参加者が挙げた先の課題は、女性自身の心の持ちようだけでなく、企業や社会全体の意識や制度によって形成されたものでもあることを忘れてはいけないと思います。
甘えさせるやり方で能力や意欲を奪うのは、人にとっても企業にとっても国にとっても、惜しい話です。