コロナ禍のなか始まった聖火リレー。ちょうどこの通信をお届けする頃、聖火は九州地方を巡っている予定です。
   全世界での感染拡大によって一年延期となった東京オリンピック・パラリンピック。その上、今年２月には組織委員会前会長が女性蔑視ともとれる発言で辞任しました。当時、国内では「また失言か」というやや緩い雰囲気で見る向きもありましたが、多くの海外メディアはこぞって批判的に報道しました。
   その中に、男女格差を測る指数「ジェンダー・ギャップ指数（ＧＧＩ）」の日本の順位（１５３カ国中１２１位＝２０１９年）を示して、日本は男女平等への取り組みが遅れた国だと伝える記事もありました。
   ＧＧＩは、「経済」「教育」「健康」「政治」の４分野で各国の男女間の格差を測定し、毎年公表されています。今年３月31日に発表された最新データで日本は、１５６カ国中１２０位。主要先進国の中で最下位です。
   毎年発表されるたびに報道されてきましたが、皆さん、目にした記憶はありますか。例年その扱いは小さいものでした。国内ではそう大きな問題と捉えられていなかった現れかもしれません。扱うメディアを含めて方針決定の場に女性が少ないことも関係しているのかもしれません。
   世界の動きの中で日本は今、どういう状況なのか。それを改めて考える機会をオリンピックは与えてくれているように思います。スポーツの素晴らしさとともに。