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館長だより

ミモザのリース(館長だより⑮)『多様な目、多様な手を』2019.8

『多様な目、多様な手を』

   親からの虐待で幼い命が奪われる事件が相次いでいます。中にはDV(配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力)が絡んでいるケースもあります。報道に目を背け、耳をふさぎたくなりますが、しっかりと見、聞かなければなりません。
   子育て中の母親が一瞬「これって虐待かも?」と思うことは、あるのではないかと思います。特に一人目の子育ては何もかもが初めて。分からないことが多い上、思い通りにならずイライラしたり、泣きたくなったり。
   私もありました。子どもに伝えたいことが伝わらず、カッとなって手が出てしまう。子どもの顔を見て、ハッとし「私、何してるんだろう?」と、罪悪感いっぱいになる。でも、その一瞬を我慢できない…。そんな時、たまたま居合わせた母が娘を公園に連れ出してくれたことがありました。部屋に一人残って、自分が恥ずかしく、情けなく、そして娘に申し訳なく、でもどうしていいか分からず、涙があふれました。
  「生んだ」からといって即「育てる」ことができる人ばかりではありません。特に独りだけでは。子育てを経験した人を含め家族や友人、ご近所、公共サービスなど多様な目、多様な手があって、少しずつ育児に慣れ、愛情の伝え方が分かってくる。そういうものかもしれません。
   虐待は絶対に許されません。子どもの命が危険にさらされたり、心身に傷を負わせ自尊心を損なうような事態が起きないようにしなければなりません。ただ、それを母親や父親に求めるだけでは解決しないことを、多くの人が感じているのではないでしょうか。

はあもにい館長 坂本ミオ
親からの虐待で幼い命が奪われる事件が相次いでいます。中にはDV(配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力)が絡んでいるケースもあります。報道に目を背け、耳をふさぎたくなりますが、しっかりと見、聞かなければなりません。
子育て中の母親が一瞬「これって虐待かも?」と思うことは、あるのではないかと思います。特に一人目の子育ては何もかもが初めて。分からないことが多い上、思い通りにならずイライラしたり、泣きたくなったり。
私もありました。子どもに伝えたいことが伝わらず、カッとなって手が出てしまう。子どもの顔を見て、ハッとし「私、何してるんだろう?」と、罪悪感いっぱいになる。でも、その一瞬を我慢できない…。そんな時、たまたま居合わせた母が娘を公園に連れ出してくれたことがありました。部屋に一人残って、自分が恥ずかしく、情けなく、そして娘に申し訳なく、でもどうしていいか分からず、涙があふれました。
「生んだ」からといって即「育てる」ことができる人ばかりではありません。特に独りだけでは。子育てを経験した人を含め家族や友人、ご近所、公共サービスなど多様な目、多様な手があって、少しずつ育児に慣れ、愛情の伝え方が分かってくる。そういうものかもしれません。
虐待は絶対に許されません。子どもの命が危険にさらされたり、心身に傷を負わせ自尊心を損なうような事態が起きないようにしなければなりません。ただ、それを母親や父親に求めるだけでは解決しないことを、多くの人が感じているのではないでしょうか。